ページタイトル(愛染カツラ) ロゴ:人里の巨木たち

画像:愛染カツラ

画像:北向観音堂
 北向観音堂↑     温泉薬師堂(瑠璃殿)↓
画像:温泉薬師堂
  名称 愛染カツラ (あいぜんかつら)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 カツラ
樹高 24m(注2)
目通り幹囲 5.7m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 長野県上田市別所温泉
 〃 3次メッシュコード 5438−41−12
 〃 緯度・経度 北緯36度21分00秒
           東経138度09分23秒
上田市指定自然記念物(1974年6月5日指定)(注3)
撮影年月日 2002年8月31日

注1)1974年12月1日に上田市教育委員会が設置
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注3)現地の案内板には「自然記念物」とあった





 別所温泉、北向(きたむき)観音の鐘楼横に立つ桂。
 カツラとしてはそれほどの巨木ではないのだが、川口松太郎の長編小説「愛染かつら」で、ヒロインの高石かつ枝が津村浩三と、菩提寺のカツラの木の下で永遠の愛を誓う。そのインスピレーションを生んだ木として、一躍有名になった。(アイゼンカツラという造語はノウゼンカズラの語感からの転用か。境内には小さな愛染堂もある)
 昭和14年(1939)に長野県から天然記念物の旧指定を受けたことがあるが、「愛染かつら」が「婦人倶楽部」に連載されたのが昭和12〜13年だから、人気にあやかって急遽指定されたものとみえる。小説以来、「縁結びの木」として信仰も集めたようだ。
 これとは別に、本来の観音信仰と結びついた伝説もあるらしい。案内板によれば、天長2年(825)の大火の際、どこからともなく現れた千手観音が、この木の上で避難民を救ったという。どうみても樹齢が1000年以上もあるとは思えないので、江戸末期か明治に入って生まれた伝承ではなかろうか。
 
ボタン:長野県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る