ページタイトル:福瀬神社のハナガガシ 当サイトのシンボル

画像:福瀬神社のハナガガシ_1


画像:福瀬神社のハナガガシ_2
名称 福瀬神社のハナガガシ
    (ふくぜじんじゃのはなががし)
名称の典拠 「ひむか巨樹マップ」(注1)
樹種 ハナガガシ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 5.3m(注2)
推定樹齢 300年(注3)
所在地の地名 宮崎県日向市東郷町山陰乙(注4)
 〃 3次メッシュコード 4831−44−44
 〃 緯度・経度 北緯32度22分37秒
           東経131度33分11秒
宮崎県指定天然記念物(2009年3月26日、「福瀬神社のハナガガシ林」の名で、樹林を構成するハナガガシ群を一括指定)
撮影年月日 2012年7月31日

注1)宮崎県林務部の企画編集により、鉱脈社から刊行
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注3)日向市教育委員会設置の案内板による(設置年月不詳)
注4)2006年2月25日、日向市に合併。旧行政区は東臼杵郡東郷町





 ハナガガシという木を知る人は少ないと思う。九州と四国南部の、それもごく一部にしか自生していない珍しい木だから、当然だとも思う。カシの仲間では最も細長い葉を持ち、「葉長樫」を訓読みにして和名とした、ということらしい。
 私も、樹木の専門家ではないので、宮崎の巨樹探訪計画を立てるまでは、そんな樹種があることを知らなかった。
 ハナガガシについて調べてみると、珍しい種(しゅ)であるだけでなく、現在、種の存続が危ぶまれているようだ。環境省の「レッドリスト」では、絶滅危惧種に指定されている。いまや、ハナガガシの巨木は貴重なのだ。
 2012年8月現在、環境省巨樹データベースへのハナガガシの登録件数は全部で15件。そのなかの1件は二重登録されているので、実質本数としては14本のハナガガシ巨木が知られていることになる。
 そのうち11本が宮崎県にある。そして、11本のうち5本がこの福瀬神社にある。県の天然記念物指定も頷ける。
 左図の個体が、それらの頭領である。幹周りでこれに勝るハナガガシは日本にない。(ハナガガシは日本固有種ということで、日向市では「世界一のハナガガシ」と謳っている)
 しかし、残念ながら、状態は良くない。樹皮の様子を見たとき、既に枯死してしまったかと思ったくらいだ。いつ倒れてもおかしくないということで、他に害が及ばぬよう、ワイヤで引っ張って支えている。
 訪問から約1ヶ月後の8月28日、環境省が「第4次レッドリスト」を発表した。新たにニホンカワウソが「絶滅種」とされたことを覚えている方もおられることだろう。
 哺乳動物と樹木では、絶滅危険性を一律に比較はできないだろうが、公表された資料を見ると、ハナガガシのランクに変動は無かった。(依然として絶滅の危険があるということだ)
 境内に跡継ぎが育っているとは言え、まだまだ頑張って欲しいところだ。
 
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