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画像:榛名神社の矢立杉


画像:榛名神社の矢立杉(幹と並ぶ)


画像:榛名神社の矢立杉
 右側が矢立杉。左もなかなかの巨木

画像:榛名神社の境内
  名称 榛名神社の矢立杉
   (はるなじんじゃのやたてすぎ)
名称の典拠 「日本の天然記念物」(注1)
樹種 スギ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 9.8m(注2)
推定樹齢 1000年以上(注3)
所在地の地名 群馬県高崎市榛名山町(注4)
 
〃 3次メッシュコード 5438−56−48
 
〃 緯度・経度 北緯36度27分29.2秒
           東経138度51分08.9秒
国指定天然記念物(1933年4月13日指定)
撮影年月日 2002年12月15日

注1)1995年3月に講談社が刊行。なお、同書では「榛名神社の矢立スギ」と、「杉」の部分がカタカナ。国の天然記念物命名法からして、多分それが正式名称だと思うが、「矢立杉」で一つの固有名詞と捉え、漢字で記した。現地の案内板は単に「矢立杉」
注2)1991年5月30日に環境庁から刊行された「日本の巨樹・巨木林 関東版(T)」による
注3)群馬県が榛名神社境内に設置した「榛名神社緑地環境保全地域」の説明板による
注4)2006年10月1日、高崎市に合併。旧行政区は群馬郡榛名町





 榛名山の中腹、標高900m付近に榛名神社がある。祭神は火産霊神(ほむすびのかみ)と埴山毘売神(はにやまひめのかみ)。鎮火・開運と五穀豊穣に御利益があるという。
 榛名神社は延喜式に掲載された式内社で、古くから人々の信仰を集めていた。幾度かの盛衰はあったようだが、現在でもその繁栄が偲ばれる。(詳しいことは榛名神社のすてきなホームページをご覧じあれ)
 入口の土産物店に車をあずけ、雪が残る境内を歩いた。
 歩くにつれて、奇岩の織りなす、この世ならぬ風景が目に入る。いきなり幽谷に迷い込んだ気分。
 寺院風の建物が散在するのは、江戸時代に天台宗東叡山寛永寺の支配下にあった故だ。朱塗りの三重塔(古いものではなさそうだが、本格的な造りの木造塔)もある。いくつかの建造物は群馬県から文化財指定を受けている。
 風景を楽しみながら、ゆっくり登って行くと、前方に巨杉が屹立するのが見えてきた。矢立杉だ。
 2本ないし3本の融合木だろうか。太い枝が横に迫り出している。いわゆるウラスギ(アシウスギ)のタイプのようなので、もともとは1本だったのかも知れない。下から見上げると、樹皮が陽光に白く光っている。抜けるような青空を背景に、神々しく見えた。
 講談社「日本の天然記念物」によると、「信玄矢立杉」と呼ばれることもあるという。永禄6年(1563)、武田信玄は榛名神社に祈願して出陣し、箕輪城を落とすことができた。お礼の参拝で、この杉の下に弓矢を置いたのが、名の起源だとある。
 杉の傍に立てられた高札風の案内板には、箕輪城攻略の際、矢を立てて祈願したとある。矢は置かれたのか、射立てられたのか。矢を納めたのは落城の後か前か。伝承には細部に相違があるようだが、こだわるまい。
 大杉の威容もさることながら、榛名神社にはどんな伝承をも受け入れる、仙境の雰囲気が漂っているようである。

 
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