ページタイトル(氷室神社の大杉) サイトのシンボル

画像:氷室神社の大杉

画像:氷室神社の大杉(幹と並ぶ)

画像:氷室神社々叢_1

画像:氷室神社々叢_2
名称 氷室神社の大杉 (ひむろじんじゃのおおすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 40m(注2)
目通り幹囲 8.2m(注2)
推定樹齢 1200年(注3)
所在地の地名 山梨県南巨摩郡富士川町平林鷲尾山(注4)
 〃 3次メッシュコード 5338−23−92
 〃 緯度・経度 北緯35度35分11秒
           東経138度24分00秒
山梨県指定天然記念物(1973年7月12日指定)
撮影年月日 2004年5月22日

注1)設置者及び設置年月不詳。ただし、山梨県公式ホームページの文化財一覧表では「氷室神社の大スギ」とカタカナ。多分、そちらの方が天然記念物指定時の正式名称なのだろう
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注3)現地の案内板による
注4)2010年3月8日、南巨摩郡内の2町が合併して富士川町誕生。旧行政区は南巨摩郡増穂町





 釜無川と笛吹川の合流点から西に約10km、櫛形山(2052m)中腹に氷室神社がある。
 その濫觴は、宝亀元年(770)の開山と伝える真言宗鷹尾寺。神仏習合の霊地であった。時代が下って、武田家の保護を得て栄え、徳川の時代になってからも、国家安寧の祈願所として代々将軍から朱印地を安堵された。しかし、明治の神仏分離令により鷹尾寺は廃され、氷室神社として残った。
 長く伸びる参道石段が美しい。水平距離で約300mもある。ゆっくり時間をかけて歩くのも気持ちが良さそうだが、足腰の弱くなりかけた者には滑りそうだ。大事をとって、自動車道を上った。
 境内林の美しさも息を呑むほどだ。大部分がスギなので樹下は暗いが、その分、鋭い光は届かない。ぼんやり明るい下草の新緑が地面を水平に覆い、そこから直線のシルエットが垂直に立ち上がっている。周囲を包む静寂の中には、私ひとりだけ。なんと豊潤な時空世界だろう。
 めざす大杉は社殿の後方に立っている。この辺りの標高は1000mほどだろうか。横に太い腕を数本伸ばしている。ウラスギ(アシウスギ)の仲間と思われる。
 周囲が切り払われているので、ここだけ少し明るい。赤い樹皮が輝いて見える。王者の貫禄十分だ。
 案内板には、樹皮を取って煎じて飲むと、母乳の出がよくなるという伝説があるそうだ。イチョウではよく耳にするが、スギでは珍しい。
 斜面に立っているので、大杉のまわりは足場があまり良くない。椅子でもあったら、もっと長く過ごせたのだけれども、名残りを惜しみつつ下山した。
 
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