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画像:平沢の弥陀の杉

画像:平沢の弥陀の杉(だるま堂と大杉)

画像:平沢の弥陀の杉(幹と並ぶ)
名称 平沢の弥陀の杉 (ひらさわのみだのすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 50m(注2)
目通り幹囲 8.4m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 宮城県刈田郡蔵王町平沢字丈六
 
〃 3次メッシュコード 5840−15−44
 
〃 緯度・経度 北緯38度07分34.2秒
           東経140度40分34.6秒
宮城県指定天然記念物(1971年11月9日指定)
撮影年月日 2006年9月16日(左写真)
        2016年5月13日(少し大きめの画像)

注1)1980年に蔵王町教育委員会が設置
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による





 平沢小学校の西北西600mほどの位置に立つ。
 根元には簡素な建物があり、中には御神体らしきものと、祭壇(?)やら棚やらに、達磨がたくさん見える。「だるま堂神社」と呼ばれているようだ。
 明治の廃仏毀釈で廃寺となるまで、ここには、丈六山無量寿院安養寺なる寺があり、大杉の立つ辺りは、その参道の一部であった。字名や樹名、それに寺の名から想像するに、安養寺は、丈六の阿弥陀如来像を本尊としていたのであろう。訪問の5ヶ月ほど前、平成18年(2006)4月には、大杉の背後に、現代風な石造上品上生阿弥陀如来坐像が安置された。
 ところで、この大杉を紹介するにあたって、是非とも記しておかなければならないことがある。
 上写真の右下に、コンクリートで囲われた一角がある。中に60センチほどの石碑があり、それには「遺願村役方此大杉ヲ永世伐ラセナヘテ下サレ五十嵐□(サンズイに「文」)水ワレトイフソノミナモトヲタツヌレバヲトモカモナキカケホウシカナ」の文字が刻まれている。つまり、五十嵐ブン水なる人物が、死に臨み、最期の頼みとして、大杉を切らぬよう懇願しているのである。
 大杉が県天然記念物に指定される際、この碑も附指定された。私としては、この附指定に、心から快哉を叫びたい。いわば、大杉を守る気持ちも一緒に文化財とされたのである。
 大杉は屋根の上で、たくさんの大枝を横に広げている。
 しかし、整理された枝も多く見られ、幹の内部には空洞ができていると思われる。頂部の緑も少し寂しい。最盛期を過ぎたのは明らかだが、幸い、現在のところ、樹勢は悪くなさそうだ。
 いずれ死すべきものであるにしても、少しでも長く、五十嵐殿の願いに応え続けてほしいと思う。
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