ページタイトル:樺八幡神社の四本杉 当サイトのシンボルマーク

画像:樺八幡神社の四本杉 名称 樺八幡神社の四本杉
    (かばはちまんじんじゃのしほんすぎ)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 30mほか(注1)
目通り幹囲 5.3mほか(注2)
推定樹齢 200〜299年(注1)
所在地の地名 福井県福井市中手町(なかんてちょう)(注3)
 〃 3次メッシュコード 5336−73−43
 〃 緯度・経度 北緯35度57分34.3秒
           東経136度24分53.8秒(注4)
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2020年11月15日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注2)地表面から1.3mの高さで幹囲を実測
注3)2006年2月1日、福井市に合併。旧行政区は足羽郡美山町(あすわぐんみやまちょう)
注4)これは最大の個体の位置





 大野市との市境をなす飯降山(いふりやま、884m)から西に延びた尾根の先端が谷に落ちるところが中手町である。
 中手町の家々の大半は山裾に沿って並ぶが、樺八幡神社はそこにはなく、上味見川(かみあじみがわ)を挟んだ対岸(左岸)。
 祭神は誉田別尊(ほむたわけのみこと)。八幡神社が正式名だが、地元では樺八幡神社と呼ばれている。創立年暦不詳ながら延喜式神名帳の椛神社に比定される古社で、かつては八幡宮明王院と称した。明治の神仏分離で八幡神社となる前は神仏混淆の信仰が続いていたようだ。(「玄松子の記憶」を参考)
 社蔵の阿弥陀如来、広目天、多聞天の木像3体は福井県指定文化財。(それぞれ文化財第1号〜第3号)
 境内はなかなかの巨木の森である。環境省巨樹データベースには、イチョウ2本、スギとケヤキがそれぞれ4本ずつ、計10本の巨木が登録されている。
 スギの登録データ(幹囲)は480cm、433cm、431cm、412cmとなっているが、これは1988年以前の測定値である。今はもっと大きい。
 本殿に一番近いのが最大で、実測531cm。拝殿に一番近いのが二番目、実測519cm。続く三番手は474cm。みな着実に大きくなっている。
 訪ねたのは日曜の朝。氏子さんたちが境内の清掃奉仕に集まっておられた。朝の挨拶を交わした後、みなそれぞれの持ち場で作業開始。私は撮影に専念。皆お元気のようで、境内に響く明るい声が心地よかった。
 帰り際にそのなかのお一人から伺った話では、かつて境内に、これらの杉より太いケヤキがあった。自分が小学生だった昭和18年(1943)頃、「船に使う」ということで伐採し、境内の端まで運んだのだが、結局使われること無くそのまま終戦を迎えたとのこと。
 戦後生まれの私は、話に聞く以外、戦争を知らないのだが、こんな山里の神社にまで戦争の被害が及んでいたわけだ。
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