ページタイトル:浄土寺のクス ロゴ:人里の巨木たち

画像:浄土寺のクス_1


画像:浄土寺のクス_2
名称 浄土寺のクス (じょうどじのくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 28m(注2) 今はもっと低い
目通り幹囲 8.8m(注2)
推定樹齢 600年以上(注3)
所在地の地名 和歌山県有田郡有田川町西ヶ峯(注4)
 〃 3次メッシュコード 5135−12−12
 〃 緯度・経度 北緯34度05分46.5秒
           東経135度16分33.9秒
和歌山県指定天然記念物(2012年7月20日指定)
撮影年月日 2014年3月24日

注1)2013年5月に有田川町教育委員会が設置。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 近畿版」による
注3)上記案内板による
2006年1月1日、有田郡内の3町が合併して有田川町誕生。旧行政区は有田郡金屋町





 標記の大クスが立つ浄土宗蹴破山浄土寺(けわりさんじょうどじ)は、有田川の支流五名谷川の右岸高台。川沿いに走る国道424号から、標高差にして130mほど登った所にある。と言っても、集落から離れて寺がぽつんとあるのではなく、集落そのものがその高さにあるのだ。
 寺伝では、浄土宗開祖法然上人の弟子真観房感西の開山。その後衰退したが、弘治元年(1555)、量誉宗散が再興して今日に至っているようだ。(浄土宗公式サイト中の寺院紹介ページより)
 それには奇妙な山号の由来も載っていた。
 集落の辺りは南東に向かう斜面で、一部傾斜が緩くなっている。現在はみかんの栽培が盛んなようだが、かつて山奥から水を引いて水田にしようとしたことがあったという。
 その水路を掘削する際、途中に大岩が出現。なんとかしようと努力はしたものの、村人たちの手ではどうにもならなかった。
 ところがある朝、岩は真っ二つに割れ、血が流れた痕があった。不審に思った村人が点々と残る血を辿ると、血痕は浄土寺まで続き、阿弥陀如来像の足の甲が二つに割れて血がついていた。
 浄土寺の阿弥陀さまが大岩を蹴破って下さったということで、こんな山号になったようだ。
 さて、クスノキだが、境内の端に立ち、谷を見おろしている。
 大正10年(1921)頃、西ヶ峯に火事があったらしい。
 もともと水の便が悪く、また、消防自動車など無かった時代である。水を含ませた莚(むしろ)で茅葺き屋根を覆い、飛んでくる火の粉を防ぐことくらいしかできなかったという。
 その際、このクスノキにも被害が及んだ。
 下から見上げると、幹の一部に表皮が欠損している箇所がある。そこは火事で焼けたのだそうだ。
 おばあさんから聞いたという方から伺った話である。
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