ページタイトル:香花社のモミ 当サイトのシンボルマーク

画像:香花社のモミ 名称 香花社のモミ (こうかしゃのもみ)
名称の典拠 なし
樹種 モミ
樹高 20m(注1)
目通り幹囲 5.3m(注2)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 長野県駒ヶ根市中沢(中割)
 〃 3次メッシュコード 5337−47−69
 〃 緯度・経度 北緯35度43分16.3秒
           東経137度59分28.8秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2024年10月17日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注2)地面から1.3mの高さで実測





 JR飯田線駒ヶ根駅の南から県道49号(駒ヶ根長谷線)を東に向かう。
 天竜大橋を渡って新宮川の谷に入り、右手高台の中沢小学校を過ぎると間もなく左側に少し離れて、こんもり繁る香花社の森が見えてくる。(道路脇、鳥居の横に駐車スペースあり)
 香花社の社殿は3段に築かれた石垣の上にある。モミは2段目の石垣の上。参道の横、社殿に向かって左側。
 スギほどではないが、モミは直立性の高い樹種だ。それが、ここでは僅かに弧を描きながら斜めに立っている。まだ若い頃に地盤が緩んで傾いたのだろうか?
 環境省データでは幹囲450cmとなっているが、これは1988年に報告された数値である。測定されたのがいつなのか不明だが、1988年以前であることは間違いない。今は5m近くになっているだろうと訪ねたら、実測値は534cm。予想以上の大きさになっていた。樹勢が良さそうなので、まだまだ大きくなりそうだ。
 社号が珍しい。香花(華)は仏前に供えるお香とお花のことで、本来はお寺の言葉である(「こうげ」と読むものだと思っていたが、「こうか」の読み方もあるようだ)。それにしても、なぜ社号が香花なのだろう?
 香花社についてネットを調べ、2つの情報を見つけた。
 一つ目は、かつてここが『周濠がめぐらされた古式城跡と考えられ』ていること。(駒ヶ根市公式サイト中、高見城跡についての紹介PDFページから。なお、このページからは「高見城跡」が市指定史跡であるかのように解釈できそうだが、駒ヶ根市の文化財一覧表には載っていない)
 もう一つは、新兵器の開発を目指した陸軍の登戸(のぼりと)研究所に関すること。戦争の激化にともない、登戸研究所がこの地方に疎開してきた。中沢分室では国民学校高等部の生徒を動員して缶詰型爆弾を作っていたらしいのである。香花社は缶詰爆弾用ブリキの型抜き工場として使われたようだ。(明治大学平和教育登戸研究所資料館ウェブサイトより)
 「香花」の優美な語感とは裏腹に、いずれも戦争に纏わる話である。
 社号の由来についてはわからなかった。
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