ページタイトル:マダの木 サイトのシンボル

画像:マダの木(幹と並ぶ)


画像:マダの木(葉と実)


画像:マダの木(幹の内部より)
名称 マダの木 (まだのき)
名称の典拠 近くに住む人からの聞き取り調査による(注1)
樹種 オオバボダイジュ
樹高 10m(注2)
目通り幹囲 9.0m(注2)
推定樹齢 伝承800年(注2)
所在地の地名 山形県尾花沢市梺町2丁目
 
〃 3次メッシュコード 5740−73−22
 
〃 緯度・経度 北緯38度36分25.6秒
           東経140度24分08.8秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2008年8月28日

注1)旧環境庁が1991年に刊行した「日本の巨樹・巨木林」では「マタヌ木」となっている。その名で尋ねたところ、「そうではない。マダノキだ」ということだった
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による





 「マダの木」とは一体どういう意味だろう。無い知恵を絞って考えた結論はこうであった。菩提樹→お釈迦様。南無阿弥陀仏→なんまんだぶ→なまんだ→まだ…の木。
 釈迦如来が阿弥陀如来に化けてしまうあたりが怪しげだが、どうせどちらも仏様なのだから、いいことにしてもらおう。
 しかし、これはやっぱり浅知恵であった。
 そもそも、お釈迦様がその下で悟りを開いたというボダイジュは、日本のボダイジュとは違う。写真のオオバボダイジュはシナノキの仲間の木で、クワ科のインドボダイジュとは全然別の木である。
 わかってみれば、どうということはない。この地方では、シナノキの仲間のことを「マダの木」と呼んでいるのである。
 朝の7時前に訪問した。場所については、およその見当はついていたのだが、樹高が低いので、姿が見えない。幸い、どこにも働き者の方がいるもので、朝早くから家の前の掃除をしておられる方を見つけた。概要を話して、所在を尋ねたところ、よくご存じだった。その方の口から出た名前が「マダの木」である。
 「マダの木」は、個人の所有物で、庭先に立っている。
 ちょうどそこは路地の交差点のところ、二方が道路に面している。そこには垣根も縁石もなく、道路の延長のような感じで、部外者を拒んでいないように思えた。普段は所有者の許可を得てから撮影することにしているが、早朝だったこともあり、無断で撮らせていただいた。
 もう既に主幹と呼ぶべきものはない。内部はすっかり伽藍堂で、中から空が見える。生き残った枝に通じる部分のみが、何本かの根とも幹とも見分けが付かぬような形で全体を支えている。
 しかし、かつてはこれを輪郭として、中身がしっかり詰まった大木だった時代が、間違いなくあったはずである。さぞかし見事だったことだろう。
 今はすっかり姿を変えて、余生を生きているが、こんな姿になっても、所有者から大切にされている幸せ者でもある。 
 
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