ページタイトル:文殊仙寺のケヤキ 当サイトのシンボル

画像:文殊仙寺のケヤキ_1

画像:文殊仙寺のケヤキ_2

画像:文殊仙寺のケヤキ(幹と並ぶ)
名称 文殊仙寺のケヤキ (もんじゅせんじのけやき)
名称の典拠 なし
樹種 ケヤキ
樹高 40m(注1) 実際はもっと低い
目通り幹囲 7.0m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 大分県国東市国東町大恩寺(注2)
 〃 3次メッシュコード 5031−34−19
 〃 緯度・経度 北緯33度36分09秒
           東経131度36分52秒
大分県指定天然記念物(1974年3月19日、「文殊仙寺の自然林」として寺叢全体を指定)
撮影年月日 2010年3月23日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注2)2006年3月31日、東国東郡内4町が合併して国東市誕生。旧行政区は東国東郡国東町





 国東半島の中央、北から南に、互いに2kmほど距離を置きながら、千燈岳(606m)、文殊山(616m)、両子山(721m)の三山が並ぶ。三山は半島の最頂部にあたり、半島を流れる川は、ここから放射状に延びて行く。
 天に最も近い場所でもあり、水の恵みがここに発祥することから、この山々が信仰対象になったことは想像に難くない。現在もそれら三山の中腹には、岩戸寺、文殊仙寺、両子寺の三古刹があって人々の信仰を集めている。


画像:文殊仙寺奥の院
  文殊仙寺奥の院


 天台宗峨眉山文殊仙寺(がびさんもんじゅせんじ)は、大化4年(648)に役小角(えんのおづぬ)が開山したと伝えている。案内板によれば、「奇峰怪岩に囲まれ」た環境に中国五台山を感得したゆえという。
 今日においても、いわば仙境とも呼ぶべき境内は、自然林の豊かな緑に包まれている。この緑が貴重だということで、寺叢は1974年に県天然記念物となり、1983年には、森林文化協会と朝日新聞社が共同で公募した「21世紀に残したい日本の自然百選」にも選ばれた。
 その寺叢の頭領格がこの大ケヤキである。主参道からは少し逸れた、鐘楼門下にひっそり立っている。ケヤキの先は急斜面。
 驚くべきは、根の力強さだ。
 鐘楼門の側では岩にしがみつき、斜面側では、重い身体を支えるために、「これでもか」というほどに長く太い根を伸ばしている。人間に例えれば、現在の状況を保とうと、必死の形相でこらえているところ。
 木々の世界においても、頭領になるためには、並はずれた執念が必要なのである。
 
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