ページタイトル:室浜大明神のシンパク 当サイトのシンボル

画像:室浜大明神のシンパク

画像:室浜大明神のシンパク(全景)

画像:室浜大明神のシンパク(堂内)
名称 室浜大明神のシンパク
    (むろはまだいみょうじんのしんぱく)
名称の典拠 「香川の保存木」指定名称
樹種 ビャクシン
樹高 12m(注1)
目通り幹囲 6.9m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 香川県三豊市詫間町箱(注2)
 〃 3次メッシュコード 5133−34−16
 〃 緯度・経度 北緯34度15分46.2秒
           東経133度34分28.2秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2013年3月25日

注1)香川県の公式WEBサイトの一つ「香川の古木・巨樹」による。(幹囲については地上1.2m高で測定。2011年6月8日調査値) 環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査値)では株立ちの幹囲合計を10.1mとしているが、実感とはほど遠い。香川県の調査値は納得できる数値である
注2)2006年1月1日、三豊郡内7町が合併して三豊市誕生。旧行政区は三豊郡詫間町





 香川県西部で、細長い三角形のような半島が瀬戸内海に向かって北西に突き出ている。荘内半島(しょうないはんとう)である。
 半島の先端近く、北岸を走る道路の終点が室浜で、海岸近くに小さな小堂があり、その隣にこのビャクシンが立っている。海岸近くの一本道を進んで行くと、ビャクシンの姿は自然に目に入る。
 話は変わるが、この荘内半島には、浦島太郎伝説がある。(四国新聞社のサイトによれば、当地に伝わる伝承をもとに、郷土史家のM氏の創作も加わって、戦後、物語として編纂されたのだとか)
 昔から語られている話は、竜宮城からタイムスリップして帰郷した太郎は、この世には誰も知る人がなく、激しい孤独感にさいなまれる。そして、開けてはいけないと言われた玉手箱の蓋をとった。箱からは紫の煙が立ち上り、「太郎はたちまちおじいさん」になってしまう、というもの。
 ここにはなんと、「箱」という地名がある。「紫雲出山」(しうでやま。352m)という山もある。そもそも荘内半島は、昔、半島ではなく、浦島という名の島だったというのだ。
 おじいさんになった太郎が暮らしたのが室浜。そう聞かされると、なんとなく、このビャクシンと浦島太郎の姿が重なるように思ってしまう。
 堂内を覗いてみると、「蛭子大神宮」と「室浜大明神」の名を並記した額が掲げられていた。
 蛭子(えびす)さんは「ひるこ」とも読む。古事記では、イザナギ・イザナミの国産みの際に最初に生まれたのが蛭子(ひるこ)だが、不具の子であったため、葦舟に入れて流されてしまう。拡大解釈すれば、これは、太郎の竜宮渡航を表していると言えなくもない。そして、室浜大明神が、海からやってきた太郎だということになる。
 このビャクシンから、しばし、想像の世界に遊ばせてもらい、楽しかった。
 
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