ページタイトル:明行寺の公孫樹 当サイトのシンボル

画像:明行寺の公孫樹

画像:明行寺の公孫樹(遠景)
名称 明行寺の公孫樹 (みょうぎょうじのいちょう)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 イチョウ
樹高 22m(注1)
目通り幹囲 5.6m(注1)
推定樹齢 300年以上
所在地の地名 熊本県阿蘇市小里(注2)
 〃 3次メッシュコード 4931−30−63
 〃 緯度・経度 北緯32度58分33.2秒
           東経131度02分20.4秒
阿蘇市指定天然記念物(1977年1月20日指定)
撮影年月日 2011年8月4日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注2)2005年2月11日、阿蘇郡内の2町1村が合併して阿蘇市誕生。旧行政区は阿蘇郡阿蘇町





 阿蘇内牧温泉街の一角に浄土真宗本願寺派霊芝山明行寺がある。
 寺伝では俗名高千穂稲葉守が明順と名乗り、本願寺准如の書出を得て、慶長16年(1611)に開いたという(平凡社「熊本県の地名」による)。その後の経緯は知らないが、門前に大きな駐車場があり、境内・伽藍も整っている。寺運は盛んなようだ。
 山門を入ったすぐ先に大イチョウが立っている。大枝も多く残って、大きな樹冠を戴いている。青空を背景に、見ていて気持ちが良い。
 浅学ゆえ知らなかったが、夏目漱石に「二百十日」と題する短編があるらしい。その冒頭に、この寺とイチョウが出てくるらしいのである。当地ではそのことが自慢らしく、境内に文学碑があった。
 しかし刻まれた文章を読めば、どうということはない。町をぶらぶら歩いていたら寺があって、門前にイチョウの木があり、本堂まで150mばかりの参道に石が敷き詰めてあったが、結局入らずに来た、という話である。
 イチョウと本堂の距離など、実態とは異なる部分もあるが、それは小説なのだから仕方がない。とにかく天下の文豪漱石先生がご覧になったイチョウなのである。
 夏目漱石が没してもう95年近くになる(2011年8月現在)。イチョウは今も元気溌剌。
 樹木は人間よりずっと長い時間を生きることはもちろん承知しているが、なにか奇妙な感じがした。
 
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