ページタイトル:大原の夫婦榧 ロゴ:人里の巨木たち

画像:大原の夫婦榧


 根に巻き込まれた「十人塚」の石塔
名称 大原の夫婦榧 (おおはらのめおとかや)
名称の典拠 なし
樹種 カヤ
樹高 23m(注1)
目通り幹囲 7.5m(注1) 実際はもう少し細い?
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 岩手県一関市大東町大原(一ノ通(いちのかよう))(注2)
 〃 3次メッシュコード 5841−43−13
 〃 緯度・経度 北緯39度00分58.5秒
           東経141度25分02.3秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2016年5月16日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による
注2)2005年9月20日、一関市に合併。旧行政区は東磐井郡大東町





 大東町大原の中心部から国道343号を東に向かうと、間もなく左手、畑の先の少し高いところに大きなカヤの樹冠が見えてくる。それがこのカヤだ。(脇見運転注意)
 白状すると、私自身も食べたことはないのだが、カヤの実は食用になる。もっとも、慣用的に「実」と言うけれども、実際に食べるのは、ギンナンと同様に、果実ではなく種の内部である。食べ方もギンナンと同じように煎って食べるが、事前にアク抜きしておくこともあるようだ。
 寺社の境内等でしばしば見られるのは、実を食べるため、または油を採るために、実用目的で植えられたのではないかと想像する。
 岩手県立総合教育センターのウェブページによる説明によれば、かつて盛岡藩の山林奉行栗谷川仁右衛門(くりやがわにえもん、1786〜1860)も、「15本ほど実のなるカヤを植えておくと家計の助けになる」と、カヤの植樹を奨励したらしい。
 ただし、このカヤは、栗谷川仁右衛門の登場以前から既にあったと思われる。
 少し離れるとまったく1本に見えるが、雌雄2株の合体木で、大きな笠のような樹冠の半分だけ実がなるそうである。
 各地で「夫婦榧」の名称を目にするが、株の雌雄まで考えての名称でないのが普通だ。しかし、このカヤは、文字通りの「夫婦榧」なのである。
 カヤには「めおとかや なかむつまじく とこしえに」の言葉も添えてあった。
 私有物のカヤである。撮影許可の願いを快諾して下さり、とても気持ちよく見学させていただいたことに、改めて御礼申し上げたい。
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