ページタイトル:与止日女神社の楠 ロゴ:人里の巨木たち

画像:与止日女神社の楠(幹と並ぶ)

画像:与止日女神社の楠
名称 与止日女神社の楠
    (よどひめじんじゃのくすのき)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 22m(注2)
目通り幹囲 8.3m(注2)
推定樹齢 伝承1400年(注3)
所在地の地名 佐賀県佐賀市大和町川上(注4)
 〃 3次メッシュコード 4930−72−81
 〃 緯度・経度 北緯33度19分33.4秒
           東経130度16分06.3秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2015年3月21日

注1)「さが名木100選」に選定されたことを示す樹名板(2004年3月に佐賀県が設置)
注2)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による
注3)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注4)2005年10月1日、佐賀市に合併。旧行政区は佐賀郡大和町





 嘉瀬川(かせがわ)が谷から平野に出るところ、右岸側の川岸に肥前国一の宮、与止日女神社(よどひめじんじゃ)が鎮座する。河上神社の別名もある。(正しくは止日女神社(「與」は「与」の旧字)だが、私のサイトでは、通例に倣い、与止日女神社と表記させていただく)
 主祭神は与止日女命(よどひめのみこと)。欽明天皇25年(564)の創建伝承は、与賀神社(よかじんじゃ)及び本庄神社と同じ。与賀神社でいただいたリーフレットによれば、これら3社は「同一体」なのだという。
 ただし、与賀・本庄両神社は、祭神の与止日女命は豊玉姫命(とよたまひめのみこと。海神の娘)と同一であるとして、海の神、水の神としての側面を強く出しているが、ここ与止日女神社では、神功皇后の妹として位置づけているようだ。(神社の立地位置から考えて、本来は水神として創建されたと思うのだが、当否不明)
 欽明天皇云々は確かめようもないが、少なくとも平安時代にはもう存在していたことが確かで、古文書もよく残り、昭和55年(1980)6月6日、そのうち247通が「河上神社文書」として国の重要文化財に指定された。
 確かな歴史のある神社なのである。
 鳥居の先、境内平面より一段低い河岸にこのクスノキが立っている。水面の近くに遊歩道が作られていて、そこから大クスの姿がよく見える。
 コブあり、補修跡ありの姿は、とても器量よしとは言いがたい。むしろ、のたうつような姿とでも言えそうだ。水面からはかなり高い位置にあるのだが、治水技術がまだ未発達の頃、大水でいじめられたことがあるのだろうか。
 なお、境内には、別のクスノキの残骸もある。
 案内板によれば、幹回りは弓の弦を15筋繋いでも足りなかったとか。メートルに直すと27mもあったそうである。残念ながら、文化10年(1813)、落雷による火災で倒れてしまったという。
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