ページタイトル:弁天桜 当サイトのシンボルマーク

画像:弁天桜 名称 弁天桜 (べんてんざくら)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 エドヒガン
樹高 10m(注2)
目通り幹囲 3.9m(注2)
推定樹齢 400年(注2)
所在地の地名 福島県田村市滝根町菅谷(たきねまちすがや)字七曲(ななまがり)(注3)
 〃 3次メッシュコード 5640−05−10
 〃 緯度・経度 北緯37度20分53.4秒
           東経140度37分51.1秒
田村市指定天然記念物(2005年4月18日指定)(注4)
撮影年月日 2020年4月15日

注1)旧滝根町教育委員会が設置したもの(設置年月不詳)。滝根町の部分を田村市に修正してある。ただし天然記念物指定名称は「弁天ザクラ」で一部カタカナ
注2)上記案内板による
注3)2005年3月1日、田村郡内の5町村が合併して田村市誕生。旧行政区は田村郡滝根町
注4)1975年8月1日に旧滝根町から天然記念物指定を受けたが、合併を機に、この日再指定された





 JR磐越東線菅谷駅から西に約1.2km。田村広域農道田村トンネル北口から150mほどのところに立つ桜。広域農道からは樹林に隠れて姿を認めるのは難しいが、農道脇に広大な駐車場があって、案内表示も出ている。そこからは表示に従って歩けばよい。
 福島県総合緑化センター刊「緑の文化財」に、この桜にまつわる伝説が紹介されていた。
 寛文年間(1661〜73)のこと。当地の美しい娘が隣村の庄屋に嫁いだ。その姑がとても厳格な人で、娘に辛く当たったため、耐えきれなくなった娘は実家に戻った。しかし、両親から「一度嫁いだ者はその家の土にならねばならない」と諭され、娘は泣き泣き帰ったが、いまさら婚家に戻れず、また実家にも戻れず、池に身を投じた。それを嘆いた父が一本の桜を植え、祠を建てて冥福を祈った。と、こんな話である。
 この桜がそれだという。美しい花に比して、くねくねと異様に曲がる幹や大枝に、この世に安らぎを得られずに逝った娘の屈折する心を重ね見たのだろうか。
 なお、この木の下で花見をすると、帰り道を忘れる者がいるそうで、投身した娘の霊が桜に移ったかと不思議がられているそうである。(単に酔い過ぎただけだろう等と野暮なことは言わない)
 訪ねた時はまだ開花前。蕾が膨らんではいるのだが、これではこちらの気持ちが消化不良である。
 コロナ・ウィルスの鎮静を待って再訪したいと思っている。
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