ページタイトル:塚崎のクス 当サイトのシンボル

画像:塚崎のクス_1

画像:塚崎のクス_2

画像:塚崎のクス_3
名称 塚崎のクス (つかざきのくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 32m(注2)
目通り幹囲 14.0m(注2)
推定樹齢 1300年(注3)
所在地の地名 鹿児島県肝属郡肝付町野崎(塚崎)(注4)
 〃 3次メッシュコード 4730−07−17
 〃 緯度・経度 北緯31度20分20.6秒
           東経130度58分16.1秒
国指定天然記念物(1940年2月10日指定)
撮影年月日 2009年7月26日

注1)町の教育委員会が設置(設置年月不詳)。国の天然記念物指定名称もこの名に一致している
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注3)上記案内板による
注4)2005年7月1日、肝属郡内の2町が合併して肝付町誕生。旧行政区は肝属郡高山町





 肝属川(きもつきがわ)の河口近く、右岸側の高台に塚崎集落がある。
 このあたりは古くから開けていたらしく、塚崎を中心に、大小約50基の古墳が密集している。最大の前方後円墳は、長径307尺(約92m)、後円部の直径が172尺(約52m)もある。これらは「塚崎古墳群」として、昭和20年(1945)2月22日、国の史跡に指定された。
 昭和20年といえば、年輩の方には終戦の年として記憶に残る年だ。(わが新潟県上越市としては、指定の4日後にあたる2月26日、高田の中心市街地で377cmの最大積雪量が記録された年でもある)
 古墳より5年ほど早く、国の天然記念物に指定されたこの大クスも、それら古墳の一つに立っている。(文化財としてはクスノキの方が先輩であるためか、クスノキが立つ円墳が第1号墳とされた)


画像:塚崎のクス(幹と並ぶ)


 前述のように塚崎は高台上の集落であり、そのうえクスノキは小さな円墳上に立っているものだから、肝属川右岸の水田を走る道路から、ほかの木々から抜きん出て立つ大クスの頂部がよく見える。
 講談社「日本の天然記念物」によれば、大クスの立つところは、島津家始祖忠久(1227没)の時代に、島津家の守護神として建立された大塚神社の敷地にあたる。その当時からこのクスノキは神木とされていた、と伝えられているらしい。
 現在、周囲には、クスノキを保護するため、広く立ち入り禁止区域が設けられている。ただし、ぐるっと一回りすることは可能なので、さまざまな角度から大クスの雄姿を鑑賞することが出来る。
 また、1ヶ所だけ、すぐ近くまで石段があり、間近に大クスの息吹を感じることも出来る。
 さすがに全盛期は過ぎたようで、多くの大枝が整理され、若く元気なクスに比べれば、樹冠は小規模になった。こころなしか、葉も少し疎らである。オオタニワタリなど、着生植物も多く見られる。
 ぽっかり口を開けた空洞が印象的だ。遠い昔に失われた大枝の跡であろう。空洞は地下にまで続き、大蛇が棲み着いているという伝説もあるようだ。
 きっと、大枝の1本ほどもあるような大蛇がひそんでいるのだろう。
 
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