ページタイトル:姥の栃 当サイトのシンボル

画像:姥の栃(幹と並ぶ)


画像:姥の栃から林道を挟んで反対側に立つトチノキ
 道路の反対側に立つトチノキ
名称 姥の栃 (うばのとち)
名称の典拠 現地の樹名板(注1)
樹種 トチノキ
樹高 29m(注2)
目通り幹囲 7.7m(注2)
推定樹齢 200〜299年(注2)
所在地の地名 山梨県山梨市牧丘町柳平(注3)
 〃 3次メッシュコード 5338−55−63
 〃 緯度・経度 北緯35度48分12.2秒
           東経138度40分07.9秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2011年6月19日

注1)設置者名・設置年月とも不詳
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注3)2005年3月22日、山梨市に合併。旧行政区は東山梨郡牧丘町





 1991年に旧環境庁から刊行された「日本の巨樹・巨木林」によれば、旧牧丘町の杣口山にトチノキ巨木が群生する一角があるらしい。目通り7.7mをはじめ、約10ヘクタールの面積に、3m超の、いわゆる巨樹が40本あるとか。さぞかし壮観だろうなと思うけれども、きっと、容易に行けない山中にあるのだろうと、会うのは諦めていた。
 ところが、高橋弘さんの「日本の巨樹・巨木」を見たら、「下車後すぐ」会うことが出来るのだという。花の時期に訪ねてみることにした。
 琴川右岸沿いに県道210号(杣口塩山線)を遡る。道なりに進んで行くと、琴川を渡った地点から、県道番号が219号(柳平塩山線)に変わる。もとは杣口林道だったが、上流に琴川ダムを建設するにあたって整備し、県道としたもののようだ。大型ダンプも通行できるような規格に変えたのだろう。ガードレールも側溝も整備された完全舗装道路だ。
 ダムに近づくと、道幅は広がり、完全な2車線道路となる。そして、やがて道路のすぐ右脇に、このトチノキが現れる。標高およそ1380m地点。トチノキの前には、車数台分の駐車スペースもある。コンクリート製のベンチもある(トチノキの美観を損ねないよう、もっと離れた位置に設置してほしかったが)。
 斜めに立つ太い幹には多数の瘤があり、緑の苔が張り付いている。トチノキ群の主としての貫禄は十分。
 右に数段の下り階段があり、その底部で、岩の間から清水が流れ出ている。
 かつての道路面は、この清水の高さくらいだったのでなかろうか。当時は、もっと下からトチノキを仰ぎ見るような状態だったと思われる。
 旧環境庁資料にもあったように、背後の斜面にも、数本のトチノキ巨木が見られる。遠目に見て、目通りは4m台くらいだろうか。
 道路の反対側にも見られる。下図の1本は道路のすぐ下。路肩工事をする際、この木を残すよう、関係者が苦労してくださったことがわかる。
 地形図を見る限り、この道は、ごく普通の、いわゆる作りやすいルートで作ったように思われる。このトチノキの近くを通してやろうという気持ちが働いたわけでもなさそうだ。
 でも、この道がここを通らなければ、私がこのトチノキに出会うこともなかっただろう。山の神様のご好意と受け止めることにする。
 
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