ページタイトル:八代神社のクスノキ 当サイトのシンボル

画像:八代神社のクスノキ


画像:八代神社のソテツ
名称 八代神社のクスノキ
    (やつしろじんじゃのくすのき)
名称の典拠 なし
樹種 クスノキ
樹高 11m(注1)
目通り幹囲 7.5m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 熊本県八代市妙見町
 〃 3次メッシュコード 4830−55−91
 〃 緯度・経度 北緯32度29分58.4秒
           東経130度38分27.5秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2009年7月30日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による





 明治になって八代神社と改称する前は、妙見宮(みょうけんぐう)と号した。
 妙見は、北極星を神格化したもの。北辰ともいう。
 北極星は、北半球を航海する際に、無くてはならない指針である。従って、さまざまな宗教に取り入れられており、仏教では妙見菩薩という。常に正しい指針を示すことから、真理を正しく見通す素晴らしい眼力という意味で「妙見」と名付けられたのだろう。
 八代神社の祭神は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)。古事記では、天地開闢の際、高天原に最初に出現した神だとしている。これを、世界の指針をもたらしたと見たものか、あるいは「天之御中主」の名が、すべての星がその周りを回転する北極星を連想させたのだか知らないが、神仏習合時代には妙見菩薩と同一視されるようになった。
 毎年11月22〜23日に行われる妙見祭(県無形民俗文化財)は、九州三大祭の一つとされ、多くの人で賑わう。
 祭の人気者の一つが、「ガメ」の愛称で知られる空想上の動物である。八代神社はこれを「亀蛇(きだ)」と呼んでいる。八代の妙見さんは、これに乗って百済から渡ってきたことになっている。
 亀蛇は、北方の守護神玄武(げんぶ)に通じるものと思われる。玄武は普通、亀に蛇が巻き付く姿で表されるが、当地の亀蛇は、蛇のように長い首を持つ亀の姿で表されている。
 さて、ちょっと調子に乗って、長くなりすぎたようだ。
 祭に登場する亀蛇とは別に、背中に「妙見由来」碑を乗せた石造の亀蛇が、境内に入ってすぐ、正面からこちらを睨んでいる。
 その手前、向かって右手が御神木のクスノキ。そして左手が下図のソテツである。
 ソテツは元気そうだが、クスノキはすっかり衰弱してしまった。辛うじて皮一枚で立っている様子。その皮も、ところどころから、向こうが透けて見える。元気な枝も無いわけでないのだが、いずれ早晩、この樹形を維持できなくなることだろう。
 幸い、壮大な社殿(県指定文化財)後方に、次世代を担えそうなクスノキが育っている。
 主役がこちらに移行するのも、時間の問題と思われる。
 
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