ページタイトル:天水島熊野社のコナラ ロゴ:人里の巨木たち

画像:天水島熊野社のコナラ_1

画像:天水島熊野社のコナラ_2
名称 天水島熊野社のコナラ
    (あまみずしまくまのしゃのこなら)
名称の典拠 なし
樹種 コナラ
樹高 10m(注1)
目通り幹囲 4.9m(注1)
推定樹齢 200〜299年(注1)
所在地の地名 新潟県十日町市松之山天水島(注2)
 〃 3次メッシュコード 5538−44−68
 〃 緯度・経度 北緯37度03分30.5秒
           東経138度36分16.1秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2014年9月3日


注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注2)2005年4月1日、十日町市に合併。旧行政区は東頸城郡松之山町





 天水島は、国道253号沿いの犬伏(いぬぶし)で渋海川(しぶみがわ)に合流する越道川(こえどうがわ)の上流部に位置し、右岸側が天水島、左岸側が天水越である。
 松之山は豪雪で知られる地だ。降水量としては多い地域に属する。しかし、山間にあって耕作可能な土地が限られる上に、天水に頼る田が多く、飢饉の際には多数の餓死者が出たようだ。平凡社「新潟県の地名」から孫引きすると、天明4年(1784)には天水島の人口340人中、47人が餓死。天保8年(1837)には58人が餓死したという。
 これも「新潟県の地名」によると、文化11年(1814)、村の南方、留山の中腹から雪解け水を引く全長10kmの水路開削を決議。村人のみの力で、11年を費やして完成したという。苦しい環境にあって、村人たちに不屈の精神と結束の固さが養われたと想像する。(用水は明治中期に改修され、「宝(たから)用水」と呼ばれたそうだ)
 集落の東端、国道405号沿いに熊野社が鎮座する。
 標記のコナラは、石段参道の入口。向かって右。自生していたコナラがそのまま残されたのだと思われる。
 衰退期に入って久しいようで、満身創痍の姿である。
 あとどれだけこの姿を見られることだろうか。

※以前は「天水島のミズナラ」として紹介していた個体である。環境省資料にミズナラとあったので、詳しい観察もせずに樹種をミズナラとしていたが、これはコナラではないかとの指摘があった。それで、先日、改めて確認に出かけたところ、葉には下から見上げても分かるほどの長さの葉柄がある。ドングリもコナラのドングリである。迂闊であった。申し訳ない。(2015.10.21タイトル及び樹種名を訂正)
※その後とうとう枯死してしまったか、今は崩れかけた切株があるのみ。(2023/11/07追記)
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