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画像:ボッカトチノキ(花をつけた姿)

画像:ボッカトチノキ(幹と並ぶ)
名称 ボッカトチノキ
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 トチノキ
樹高 20m(注2)
目通り幹囲 4.2m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 新潟県糸魚川市大所
 
〃 3次メッシュコード 5537−26−49
 
〃 緯度・経度 北緯36度52分23.9秒
           東経137度52分14.0秒
糸魚川市指定天然記念物(1971年3月26日指定)
撮影年月日 2006年5月27日

注1)糸魚川市教育委員会が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による





 信越国境近くの葛葉峠から新潟県側に下り始めて2つ目のカーブに立っている。
 今は県道375号だが、以前はこれが国道148号だった。大所トンネルが開通して主要路でなくなり、加えて1995年の水害で沿線が被害を受け、すっかり交通量が減ってしまった。葛葉峠の見晴らしを我がものとしていたドライブインも今は廃屋。かつての繁昌ぶりを知る人も少なくなった。
 しかし、トチノキにとっては、排気ガスを浴びることが少なくなったということである。悪いこともあれば、いいこともある。
 当地方では、今年はトチノキの当たり年なのだろうか。どのトチノキも、昨年に比べ、格段に多くの花をつけている。ボッカトチノキもその例に洩れない。樹下の路上に、アスファルトの表面を埋め尽くすほどに小花を撒き散らしていた。
 樹名の「ボッカ」とは「歩荷(ぼっか)」のことらしい。
 今も尾瀬湿原などで見られるように、何十キロもの荷を背に担って運搬する人を歩荷という。運搬手段がない時代には、越後の塩や海産物を背負って運ぶ人もいたのであろう。峠を登り切る直前、もうすぐ信濃という辺りで、このトチノキの木陰に涼をとり、吹き上げる谷風を心地よく感じながら、汗をぬぐうこともあったであろう。
 峠より低いとはいえ、トチノキからも谷全体を見晴らすことができる。(逆に峠の下からもトチノキがよく見える)
 トチノキとしては少し物足りない目通りだが、樹勢の良さ、立地のすばらしさから、ここに取り上げた。
 
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