ページタイトル:五十嵐神社のスギ ロゴ:人里の巨木たち

画像:五十嵐神社のスギ(幹と並ぶ)

画像:「注連掛大杉神社」御神体のスギ
名称 五十嵐神社のスギ
    (いがらしじんじゃのすぎ)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 30m(注1)
目通り幹囲 5.3m(注1)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 新潟県三条市飯田(注3)
 〃 3次メッシュコード 5639−20−84
 〃 緯度・経度 北緯37度34分26.3秒
           東経139度02分52.8秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2015年6月7日

注1)「新潟の大杉と天然杉」による
注2)「下田の名木」案内板より
注3)2005年5月1日、三条市に合併。旧行政区は南蒲原郡下田村





 国道289号と同290号が交わるあたり、五十嵐川(いからしがわ)右岸に五十嵐神社が鎮座する。
 延喜式神名帳にある「伊加良志神社」に比定される古社で、地元では、川の名前同様、「いらし」と濁らずに読むと思うのだが、新潟県神社庁のウェブサイトでは「いらしじんじゃ」の読みを示しているので、そちらに従った。
 祭神は第11代垂仁天皇の第8皇子五十日足彦命(いかたらしひこのみこと)。天皇から高志(こし=越)国を開拓するよう命じられて当地に下向。薨去後、当地に葬られたと伝えられているようだ。五十嵐神社では、鎮座地がその陵墓だとしている。なお、五十嵐(いからし)の地名は皇子の名より生じたとも。(注連掛大杉神社内に設置された案内板および平凡社「新潟県の地名」を参考)
 左上図の大杉は、道路から一段上がった平面の端。根元には、「下田村文化財調査研究会」の名で、「下田の名木」標識が設置されている。
 現存するこの大杉と向かい合うように、上記「注連掛大杉神社」があり、中を覗くと、地上5mほどの高さで、2mほどの長さに切った一対の大杉の幹が展示してあった。
 かつて上飯田から拝殿に向かう参道の左右に立っていたものらしい。県指定天然記念物だったようだが、昭和36年(1961)の第二室戸台風で大きな損傷を受け枯死(案内板には室戸台風とあるが誤り)。枯れた後も、そのまま立ち続けていたようだが、昭和59年(1984)12月伐採。翌年、注連掛大杉神社を建築して、その中に納められた。氏子さんに特別な愛着を持たれていたのだろう。
 下図で、幹に大きな石が挟まっているのがお分かりだろうか。これは、源頼朝に仕えた五十嵐小豊次が館から投げつけた石なのだそうである。(五十嵐館は神社の南にあったようだ)
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