ページタイトル:片桐町の菩提樹 ロゴ:人里の巨木たち

画像:片桐町の菩提樹

画像:片桐町の菩提樹(遠景)
名称 片桐町の菩提樹 (かたぎりまちのぼだいじゅ)
名称の典拠 なし(注1)
樹種 ボダイジュ
樹高 不明(低い)
目通り幹囲 6m(注2)
推定樹齢 伝承600年(注3)
所在地の地名 新潟県見附市片桐町
 〃 3次メッシュコード 5638−27−62
 〃 緯度・経度 北緯37度33分27.4秒
           東経138度54分24.7秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2015年6月7日

注1)「こみゅにてぃ ほっと新潟」が設置した案内板には「東福寺跡と菩提樹(片桐町)」とあった(設置年月不詳)
注2)根元回りを目分量で
注3)文明年間(1469〜87)までここにあった東福寺の忘れ形見と伝えられていることから





 片桐町はJR見附駅の北約3km。古くからの集落である。
 現在、刈谷田川(かりやたがわ)からは4kmほど離れているが、広大な平野を流れる河川は、人の手で治水されるまでは、大水が出る度に、各地に自然堤防など大氾濫の痕跡を残しつつ、流路を変えたとしても不思議ではない。片桐町の集落は、刈谷田川自然堤防上にできたと考えられている。(自然堤防の上は、洪水の危険が周囲より格段に低い)
 このボダイジュも、自然堤防の延長上にある。
 正安3年(1301)、聖一国師円爾(しょういちこくしえんに)(弁円(べんねん))を開山として、ここに臨済宗東福寺が開かれた(「新潟県寺院名鑑」による)。当時、円爾は既に亡くなっていたが、その名望をいただいたわけである。(実際に寺を築いたのは別の人物である)
 文明(1469〜87)の頃まで当地にあったようだが、のち太田村(現見附市太田町)に移って曹洞宗に転じ、今も東福寺は続いている。
 旧地の今は、一面の農地である。ボダイジュのほか、寺があったことを想像させるものは見当たらないが、室町期の宝篋印塔が発掘されることもあったらしい。
 ボダイジュは、中国原産の樹木で、お釈迦様がその樹下で悟りを開いたというインドボダイジュの代用品として(?)、しばしばお寺の境内に植えられる。このボダイジュも、ここに東福寺があった時代に植えられたと考えられているようだ。(インドボダイジュは寒さに弱く、日本の露地では育たないらしい)
 ただし、現存する個体が500年以上もの年月を経ているとは思えない。本当に東福寺ゆかりのボダイジュだとしたら、それから何代目かの後継樹ということなのだろうと思われる。
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