ページタイトル:向外瀬のモクゲンジ 当サイトのシンボル

画像:向外瀬のモクゲンジ


画像:向外瀬のモクゲンジ(全景)

 梢に見える明るい色は、花でなく実
名称 向外瀬のモクゲンジ (むかいとのせのもくげんじ)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 モクゲンジ
樹高 11m(注1)
目通り幹囲 3.3m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 青森県弘前市向外瀬4丁目
 〃 3次メッシュコード 6040−73−48
 〃 緯度・経度 北緯40度37分32.6秒
           東経140度28分29.7秒
青森県指定天然記念物(1997年5月14日指定)
撮影年月日 2013年8月23日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による





 岩木川に掛かる城北大橋の右岸上流側が向外瀬である。そのなかの一軒のお宅の裏手に少し離れて、このモクゲンジが立つ。下図に鳥居と社(やしろ)が見えるが、これは神社本庁に属する神社でなく、いわばこの家の守り神であるらしい。モクゲンジも個人の所有物である。
 私は別ルートから直接モクゲンジを目指したのだが、所有する方がちょうどモクゲンジの近くで作業をしておられ、立ち入り許可を得ることが出来た。
 モクゲンジはムクロジの仲間(ムクロジ科)。ムクロジ同様、種子は丸く堅い。その中央に穴を穿ち、108個を紐で綴じて数珠(じゅず)にした。そのため、しばしば寺院に植えられたようだ。
 異称はセンダンバノボダイジュ。ただし、その木陰で釈迦が悟りを開いたというインドボダイジュはクワ科、日本でそれと誤認されたオオバボダイジュ(シューベルトの歌曲で知られる菩提樹(リンデンバウム)もこれに近縁)はシナノキ科であり、同じボダイジュ(菩提樹)の名を持っていても、三者は、生物学的には縁遠い。
 津軽藩第4代藩主信政が元禄16年(1703)、外瀬村に薬草を植えた記録が残っているらしい。藩主が植えたというのだから、ひと畝やふた畝植えたということでなく、薬草園を作ったということである。(青森県の公式ウェブサイト「あおもりの文化財」を参考)
 モクゲンジの日本渡来もちょうどその頃。漢方薬としての薬効があるのかどうか知らないが、貴重で珍しいモクゲンジも薬草園の一隅に植えられた可能性は高い。
 今は周辺環境もすっかり変わった。かつての風景を知るのは、このモクゲンジのみである。
 
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