ページタイトル(根岸の大いちょう) サイトのシンボル

画像:根岸の大いちょう

画像:根岸の大いちょう(幹と並ぶ)

画像:お賽銭
 横枝の付根にお賽銭をあげる人も
名称 根岸の大いちょう (ねぎしのおおいちょう)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 イチョウ
樹高 40m(注2)
目通り幹囲 16.0m(注2)
推定樹齢 1100年以上(注3)
所在地の地名 青森県上北郡おいらせ町東下谷地(根岸)(注4)
 〃 3次メッシュコード 6041−73−24
 
〃 緯度・経度 北緯40度36分19.8秒
           東経141度25分56.5秒
青森県指定天然記念物(1994年4月25日指定)
撮影年月日 2005年8月2日

注1)木製の立派なもの(設置者及び設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による
注3)百石町が設置した案内板による(設置年月不詳)
注4)2006年3月1日、上北郡内の2町が合併して「おいらせ町」誕生。旧行政区は上北郡百石町





 昭和63年(1988)から旧環境庁が行った第4回自然環境保全基礎調査(巨樹・巨木林調査としては最初)で、全国一の大イチョウとされた木。
 日本一のお墨付きに町は大喜び。周辺は整備され、すっかり町のシンボルとなった。
 ところが、その約10年後、これを補完するために実施されたフォローアップ調査(平成13年3月に調査報告書刊行)で、目通りの値が14.1mに訂正され、また、新しくイチョウの巨木が報告されて、青森県内でも4位に後退してしまった。
 町民はさぞかし落胆したと思われるが、今は「長寿日本一」のイチョウとして、大切にされているようだ。
 大イチョウは不動堂境内に立っている。駐車場がないので、早朝だったこともあって、近くの百石町コミュニティエリア「みなくる館」の駐車場に停めさせてもらった。
 株の中央部は元気が無さそうだった。上に向かって少し伸びた幹も、途中で枯れ、葉をつけていない。もとはひこばえだったと思われる周辺部の幹が、今はかなりの太さになってこの木の生命を支えているように思われた。
 このイチョウは、慈覚大師円仁(794〜864)の杖が根付いたとする伝承がある。
 案内板の記述によれば、慈覚大師が諸国行脚の際、恐山に向かう道すがら、この地を通りかかった。大師は、川のほとりの小高い丘に腰を下ろし、杖に凭れて沖の景色を眺めていたが、旅の疲れに、ついうとうとと微睡んでしまった。
 すっかり夕刻まで寝込んでしまい、これは遅くなったと立ち上がろうとすると、先程まで凭れていたイチョウの杖に根が生え、動かなくなってしまった。そこで大師は、いきさつを記した紙片と、1体の不動尊像をその場に置いて立ち去った、というのである。
 まさか、これが推定樹齢の根拠ではないと思うが、イチョウが今も信仰の対象であることは間違いなさそうだ。枝の付根の窪みには、お賽銭が納められていた。
 
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