ページタイトル:環の大樟 ロゴ:人里の巨木たち

画像:環の大樟_1

画像:環の大樟_2
名称 環の大樟 (たまきのおおくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 15m(注2)
目通り幹囲 12.5m(注2)
推定樹齢 伝承2000年(注2)
所在地の地名 千葉県富津市東大和田
 〃 3次メッシュコード 5239−67−55
 〃 緯度・経度 北緯35度13分02.4秒
           東経139度56分08.1秒
千葉県指定天然記念物(1935年3月26日指定))
撮影年月日 2014年5月19日

注1)1984年1月1日に千葉県教育委員会と富津市教育委員会が連名で設置。但し天然記念物指定名称は「環ノ大樟」で、「ノ」がカタカナ
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 関東版(U)」による





 支流の高宕川(たかごがわ)が本流の湊川(みなとがわ)に合流するあたり。北を国道465号、西を湊川、そして東と南を高宕川に囲まれるように、裾野の周囲1kmほどの小さな独立峰があり、その南麓に真言宗智山派松嶺山吉祥院興源寺がある。
 応永年間(1394〜1428)の開創といわれ、正長元年(1428)または2年(1429)銘のある板碑(市指定文化財)が現存する。(紀年銘の年号がはっきりしないのは、板碑の材質が砂岩で、摩滅が激しいため)
 興源寺の山門前に、県指定天然記念物の「環ノ大樟」が立つ。
 同時に指定されたのは、「上三原ノ大樟」「三島ノ白樫」「高照寺ノ乳公孫樹」とこの「環ノ大樟」の計4件(ほかに「明神ノ鯛」もあるが、樹木ではないので割愛する)。千葉県の天然記念物指定では最初の一群に属する。
 このうち、高照寺を除いて、他の3件は指定当時の村名が名前の頭についている。(環村(たまきむら)は明治22年(1889)から昭和30年(1955)まで存在した) まず命名ルールを定めてから天然記念物として指定したように思われる。
 双幹の大クスである。
 山門側から見ると、中央に大きな空洞があり、案内板は、これを中央幹が失われた跡として、現在の2幹はその蘖(ひこばえ)でないかと考えているようだ。
 上記板碑の説明文に、板碑は、このクスノキの空洞のほぼ中央にあったとされている旨が記されている。
 高さ1mほどの板碑を動かすのはそう難しいことではないので断定はできないが、仮に、板碑の最初の設置場所がここだったとすれば、600年ほど前には既にこのクスノキがあり、しかも空洞ができていたということになる。2000年はどうかとしても、相当な樹齢のクスノキだということになろう。
 千葉県内では最大のクスノキである。(2014年5月現在、環境省巨樹データベースによる)
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